わが子が不登校になって、ご家族、特にお母様が「自分の子育てが間違っていたのではないか」と悩み、責任を感じておられると思います。カウンセリングでお母様とお話ししたり、あるいはツイッターやブログでお母様の書いたものを拝見していると、そのように悩んでおられる方は結構いらっしゃいます。
私は、そのように悩まれる必要はないと考えております。それは、子供には子供の個性があり、やがてその個性が芽吹く形で、子供独自の人生を歩んでいくようになるからです。
お母様やお父様の接し方や人間性は、確かに子供に影響を与えるでしょう。誠実な人間性なら、その誠実な人間性に裏付けられた言動を、子供はそばで四六時中見ることになります。長年、積み重ねていくうちに、それが子供の個性に影響を与えるでしょう。
ただ、そうしたことを含む、お母様たちの子育てが、子供の個性を100%形作るわけではないでしょう。もしそうなら、兄弟姉妹すべてが同じ個性となるはずですが、そのようなことはありません。同じ親から育った兄弟姉妹は、確かに似ている部分はあります。しかし、その子によって人間性にはやはり違いがあります。似ている部分は、子育てによって形成されてきた部分とするなら、違っている部分は、その子が持っている個性なのかもしれません。
子供にはやはり、元から持っている個性があると思うのです。勉強好き、運動好き、明るい、静か、活発、大人しいなどの個性があり、生まれたての赤子の頃ははっきりとしなかった個性が、成長するにつれて芽吹いていくのでしょう。
それらの個性の中には、さまざまな理由で学校が合わず、不登校になることもあります。不登校になることがダメだと、間違っていると思いませんが、子供のもとから持っている個性によって起きたことまで、お母様が責任を感じることはないでしょう。もちろん、子育てしていく過程で、「この子の個性は、いずれそのままではまずいことになるから、できるだけそうならないように、子育ての過程で少し変えていこう」というふうに考えて、子育ての中でその考えを実行するのは、親として大事なことでしょう。
ただ、子供のもともと持っている個性を変えるのは難しいです。矯正という形にしてしまうと、子供が反発したり、かえってダメになったりすることがあります。無責任の勧めではないのですが、子育てにも限界があるということを知っていただき、子供の人生のすべてを背負う必要はないことを理解していただければと思います。
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