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不登校カウンセリングブログその979.ゲーム依存から不登校になった場合の対応―まず子供に家族が向き合うこと―

更新日:2022年12月2日

 ゲーム依存から不登校になった場合の対応ですが、ゲームを取り上げるなどの方法で、不登校の状況が変わることはないでしょう。そのような強制的な方法をとると、子供が暴れてしまうことがあり、最悪、自殺未遂することもあります。この場合、まず依存症への対応から行う必要があります。


 ゲーム依存になった背景には、現実社会とのつながりが不十分なところに、多くの場合、思春期の葛藤や生きづらさと直面して、ゲームにのめり込んでしまった、ということがあります。現実に居場所があったなら、ゲーム依存するのは防ぐことができたのかもしれません。それが十分でなかったということが、ゲーム依存になった要因の一つです。


 そこで、まず家族で不登校になった子供と向き合い、話し合い、現実社会から逃避したいと思っている子供の心に共感するところから始まります。家族の中でもゲーム依存になっているということは、家族との関係もかなり希薄になっているのでしょう。家族が、不登校のわが子を責め、ゲームを罪悪視するのではなく、まずゲーム依存になってしまった子供の心をよく理解することが大事な出発点です。


 ゲーム依存になっている期間が長いほど、子供と向き合うのに必要な時間は長くなるでしょう。コミュニケーションが全く取れていなかったら、家族が子供と向き合っても、すぐに子供がそれに応えてくれるわけではありません。きちんとコミュニケーションが取れるようになるまでだけで、数カ月かかるかもしれません。そこは辛抱強く、子供とのコミュニケーションを行っていきます。その中で、子供がどういう苦しみを抱えているか、つかんでいきます。子供が抱えている苦しみを周囲に人がつかみ、理解することは、依存の脱却において大事なことです。


 ただ、この時、そういう苦しみを抱えるようになったのが、家族の誰かのせいだというふうには考えるべきではありません。「犯人捜し」をやってしまうと、例えば、お母様がご自身のことを「自分に問題があったからだ」と罪悪感を持ってしまうことになります。苦しみを抱えるようになったことに対して、家族がみんなで考え、その苦しみを消していこうとすることが必要です。


 いきなり、子供本人を外部機関につなげるようなことは、個人的には疑問を抱いています。しっかりと家族全体で子供と向き合い、抱えている苦しさや生きづらさとは何なのか、つかむことを飛ばしてしまっての、ゲーム依存による不登校への対応は、失敗する可能性が高いと言えます。




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