不登校のわが子に、「どうやってコミュニケーションをとればいいのか」と悩んでいる親御さんはおられるでしょう。その悩みは当然のものかもしれません。それは、
1 不登校の子供は自分の心をあまり打ち明けない
2 不登校の状況は一般的な状況ではなく、そもそもどうコミュニケーションをとるべきか分からない点が多い
からでしょう。
そこで私は、親御さんに、子供へのコミュニケーションは、ある程度パターン化したコミュニケーションを土台にして、そこから子供や状況に合わせて調整していただくよう、お願いしています。そうすると、「どうコミュニケーションをとればいいか」という迷いが軽くなるからです。
コミュニケーションをパターン化するとはどういうことでしょうか。それは、混乱期→安定期→転換期→回復期という、一般的な不登校の状況の変化において、望ましいとされているコミュニケーションを分類するということです。
例えば、親子ともに、不登校という状況で混乱する「混乱期」においては、できるだけ親御さんが不登校の状況を受け入れ、子供が安心して過ごせる環境を整えることが、望ましいコミュニケーションとされています。
これは混乱期のことになりますが、安定期、転換期、回復期においてはそれぞれ、望ましいコミュニケーションがあります。それを分類しておくことが「パターン化」となります。
このようにパターン化しておくと、わが子の心の状態が十分に分からなくとも、今は不登校の段階のどこにいて、おおまかにどういうコミュニケーションをとればいいか、方向性がつかめます。
もちろん、そういうパターン化されたコミュニケーションで大丈夫というわけではありません。子供の個性、不登校に至るまでの過程、不登校になった原因などは子供によってさまざまです。そうしたことを考慮に入れながら、コミュニケーションを「調整」する必要はあります。その調整は、子供のことをよく知っているご家族が、子供の様子を見ながら行っていく必要があります。そこが不登校の子供へのコミュニケーションで難しいところです。
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