UA-139114584-1
top of page

不登校カウンセリングブログその995. いつまでもおがぐずをのこぎりで引かないこと―失敗や挫折にとらわれず、不登校から脱出する―

更新日:2022年12月1日

 木材を切ると、おがぐずが必ず出ます。おがぐずは、焚き付けに使うほか、ほとんど利用価値はありません。このおがぐずを、いつまでものこぎりで引く人はいないでしょう。そんなことをしていても、何も意味はないからです。おがぐずをのこぎりで引いて、得られるものは何もありませんし、何も生まれません。まったく無駄なことです。


 しかし、現実には、いつまでもおがぐずをのこぎりで引いている人がいるのです。おがぐずは、木材を切る時に必ず発生するものであり、木材を切ることを人生に例えると、失敗や挫折、苦労、苦しみなどがおがぐずにあたります。


 つまり、いつまでもおがぐずを、のこぎりで引いている人とは、過去の失敗や苦しみにいつまでもとらわれてしまい、先に進めなくなっている人です。「あの時に失敗したから、今は不幸なのだ」「周りの人から苦しめられたから、今、自分は苦しいのだ」と考えてしまい、過去を引きずってしまっているのです。


 不登校の状況にある人の中には、いつまでもおがぐずを、のこぎりで引いている人がいるはずです。不登校に至るまでの失敗、苦しみにとらわれて、先に進めなくなっているのです。


 不登校になるということは、本当に苦しくて、辛い経験だと思います。不登校になってからしばらくの間、それまでに経験した苦しみにとらわれてしまうのは、仕方がないことだと思います。ただ、どこかで心を変えて、それまでの苦しみ、失敗、挫折から意識を遠ざけ、前を向いて進んでいくしか、不登校の状況から脱出する道はないのです。


 人間には幸い、幸福を求めるという根源的な性質があります。人間がもし、不幸になっていくことに喜びを感じる存在でしたら、不幸や苦しみに思える状況から脱出しようとしませんが、幸福を求める性質を持っているので、不登校のような状況から脱出したいと願うようになります。


 もし、不登校に至るまでにエネルギーが枯渇しているような場合は、周囲の人はあまり子供の背中を押しすぎず、待つことが大切でしょう。子供自身、何とか前に進まなくてはならないとわかってはいても、前に進めない時、過去の苦しみや失敗に心がとらわれてしまう時はあります。そういう時は、エネルギーが満ちてくるのを待つことが、周囲の人には求められます。


 エネルギーが満ちてきたと思われたら、子供が心の中でひっかかっていることに対して、言葉をかけてあげる必要があるでしょう。例えば、「また失敗したらどうしよう」ということでひっかかっているのでしたら、失敗しても這い上がれる、あるいは失敗から学ぶこともある、というような言葉をかけてあげる、ということです。


 そのようにある時は待ち、ある時は言葉をかけながら、子供がいつまでもおがくずを引くことなく、前に進んでいけるようにしてあげてください。




閲覧数:22回0件のコメント

Comments


bottom of page