2022年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。不登校の状況にあるご家族にとって、今年一年が実りの多い年になりますよう、お祈り申し上げます。
ご家族にとって、実りの多い年になるということは、不登校の状況が解決することでしょう。
では、不登校の状況が解決するのは、どういう時なのでしょうか。それは、子供の心が「学校に行こう」、あるいは「外の世界に出ていこう」と決意した時です。そう考えますと、「結局、不登校の状況を解決できるかどうかは、子供の心次第であって、周囲にいる家族は無力ではないのか」と思ってしまわれる方もおられるでしょう。
それは、半分は「イエス」です。不登校の状況が変化し、解決するかどうかはやはり、子供の心の状態にかかっている面は大きいです。私が不登校カウンセリングで、「子供の心をよく見てあげてください。心の状態からみて適切なコミュニケーションをしてあげてください」とお伝えするのは、子供の心を無視しての、不登校の状況の解決はあり得ないからです。
このように半分は「イエス」なのですが、半分は「ノー」です。不登校の状況の解決には、子供の心次第であるところはあるのですが、その子供の心に影響を与えうる存在として。周囲にいる家族があるからです。
たびたび、ブログで取り上げてきましたが、心には創造力があり、周囲の人や環境を変えていく力があります。心に思い描いたビジョンにそって、周囲の人や環境が変わっていくのです。
つまり、その心の創造力を使って、ご家族が「不登校の状況を解決しよう」というビジョンを心に描くと、それが子供の心に影響を与え、徐々に不登校の状況が変化していくのです。
ただこれも、浅くとらえた「引き寄せの法則」のように、心に思い描いただけで不登校が解決に向かうというわけではありません。解決のために必要なことを、自分で努力していくことが条件となります。
ご家族がやるべき、不登校の解決のために必要なこととは何でしょうか。いくつかありますが、その中の一つに、「この不登校の状況の中で、自分が気づくべきことで、学ぶべきこととは何かを考え、それに気づいて学んでいくこと」があると、私は考えています。
一生懸命に子育てしてきたご家族にとって、不登校の状況は、わが身に降りかかった理不尽なもののように思われるでしょう。ただ、私自身の人生をふり返っても感じるのですが、それが理不尽なもののように見えても、そこから気づき、学ぶべきものがあるということです。
「何でこのようなことが起こるのか。まったくの不幸であって、早くこんな状況は変わってほしい」と思いたくなるのですが、そのように思っている段階では、その状況は変わらないのです。心を落ち着けて、「この状況から何か気づくべきことはないのだろうか、学ぶべきことはないのだろうか」と考えると、すなわち「不登校の状況を受け入れる」と、不登校の状況が徐々に変化していきます。これは、不登校のご家族と接してきて共通することです。
そのように考えると、理不尽に、不幸に見える不登校の状況も、そこから得られるものがあり、その状況と向き合うことで実り多い年になるのではないでしょうか。今年2022年が、実りの多い年になるよう、心よりお祈り申し上げます。
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