前回のブログ 不登校カウンセリングブログその1272.不登校解決のカギは「心」―親の心の場合―で、親御さんの心の状態が、子供の心に影響を与え、それによって不登校の解決も影響されると書きました。今回は、では親御さんの心によって、どうやって子供の心にいい影響を与え、不登校を解決していくか、書いていきたいと思います。
実際に親御さんとお話ししてみて感じたのですが、自分の心を、自分でコントロールできるということをあまり知らない方が多いようです。自分の心をコントロールできるなら、どうしてPTSD(心的外傷後ストレス障害)などがあるのか、コントロールできないから、そういうことが起こるのではないか、と考えられる方もおられます。
確かに、自分の心を簡単にコントロールできれば、そういうことは起きないでしょう。過去に起きた、辛い出来事をなかなか忘れることができないために、つまり心をコントロールするのが難しいために、PTSDなどが起こります。その通りです。
ただ、「簡単にコントロールできない」のですが、「まったくコントロールできない」というわけではありません。PTSDになるような出来事であれば、すぐにそれを忘れるということはできないでしょう。ただ、時間はかかっても、それを思い出さないようにして、また別のことを考えるなどして、徐々に心をコントロールすることはできます。仏教などの宗教修行者が行っていたのは、簡単にいうと自分の心のコントロールです。コントロールができるからこそ、修行として可能であり、簡単ではないからこそ意識的に行う修行が必要なのです。
ですから、わが子が不登校になって、ご自分の心が揺れてしまう親御さんには、心がコントロール可能であることを知っていただき、自分の心をコントロールしようと決意していただきたいと思います。
そのように決意しても、心は揺れます。「もう、不登校は解決しないのではないか」「自分の子育ては失敗したのではないか」「うちの子は、普通の子供ができることができず、問題があるのではないか」と心が揺れます。その都度、心をコントロールして、「必ず解決する」「子育てに失敗したのではない」「うちの子は、問題のある子供ではない」と考えてください。そうすることで、心が平静になっていきます。
そばには、心が揺れ動いているわが子がいます。揺れ動くあまり、親にいろいろな言葉をぶつけてきます。その言葉を受けて、親御さんも心が揺れ動くでしょう。揺れ動いたらその都度、心を平静にするように心がけてみてください。
不思議なことですが、時間がたつと、自分の心をコントロールする力が高まってきて、以前よりも容易に、自分の心を平静にすることができます。そうなると、不登校の状況はより解決に向かっていきます。
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