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「うちの子はいつ不登校の状況から良くなるんですか」―子供たちの心が変わるには時間が必要です―

 不登校・引きこもりがいつ解決するのか、いつ子供たちが、不登校・引きこもりの状況から脱出できるのか。そのような疑問を持ち、カウンセラーに質問したいお気持ちはよくわかります。一日でも早く、不登校・引きこもりから脱出してほしいと願うのが親心です。


 不登校・引きこもりが解決するのはいつか、それは子供たちの心の状態が変わった時です。そして、いつ心の状態が変わるかは、子供次第です。


 子供の心の状態を変えようと、カウンセラーからアドバイスをうけて、子供たちのコミュニケーションを行います。そして、子供の心の状態が変わっていきます。確実に変わっていきますが、そのスピードは、親が期待しているものとは違うはずです。それは、心が変化するには、ある程度の時間が必要だからです。


 「自分はダメだ、自分はダメだ」と、長い間、自分の心に刻み込んできた子供たちが、周りの人からその心を変えるための適切な言葉を聞いたとしても、すぐに心は変えられません。東に速いスピードで走ってきた車が、「西に向かいなさい」と言われてすぐに方向転換できますでしょうか。そう言われて、スピードを落とし、ハンドルを切って、車体をぐるっと一回転するまで、やはりある程度の時間は必要でしょう。

 人の操作にストレートに反応する機械でさえ、これまで進んできた方向を変えるのに時間がかかります。まして、なかなか自分でも自由にならない心の方向を変えるのです。機械よりもはるかに、時間がかかるはずです。


 人の心は、表面意識と潜在意識があります。表面意識は、「右手を動かそう」「左手を動かそう」「掃除しよう」というような、日常生活で意識することが可能な心の部分であり、心の持ち主にすぐに操作できる心です。

 しかし、潜在意識は、日常生活では簡単に意識できない心の部分です。簡単に意識できないので、心の持ち主にもすぐには操作できません。今、1997年の映画「タイタニック」のサウンドトラックを聴きながら書いていますが、巨大な船の舵を切っても、すぐには方向転換できないのと同じなのです。


 不登校や引きこもりの状況には、潜在意識が関わっています。「学校には行きたいのに行けない」「外に出たいのに出られない」と、子供たちの多くが話しています。「学校に行きたい」と思っているのは表面意識であり、それでも行けないのは自分の自由にならない潜在意識が関わっているからです。


 潜在意識が変わるまでは、時間がかかります。「うちの子はいつ不登校の状況から良くなるのか」と不安に思われたら、そのことを思い返していただきたいのです。 




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