不登校直後は、不登校全体の中でも、親御さんにとって一番対応が難しい時期かもしれません。不登校になって、子供がとても混乱している状態の中、親もまた同じような状態になっています。お互い、そんな状態で接すると、ぶつかり合うことになるでしょう。不登校直後からしばらくの間の段階を「混乱期」と呼ぶことがあるのは、まさにそのぶつかり合いのためです。
ただ、この時期での子供との接し方が、その後の不登校の解決に影響を与えます。それは、うまく子供と接することで、子供との信頼関係が強くなり、その後のコミュニケーションが円滑になって、子供に伝えたいことを伝えやすくなるのです。そうなれば、不登校の解決もまた、円滑になるでしょう。
ただ、不登校直後の、子供との「うまい」接し方は、親としての自然な気持ちに反するものです。子供に「こうあってほしい」と願う気持ちなどに反した形で、接する必要があり、そこが難しいところです。
1 「学校に行ってほしい」と思うけれども、速やかに不登校の状況を受け入れる
自分の子供に、不登校になってほしいと願う親は、ほとんどいないでしょう。子供が、学校に行きたくないと意思表示し、それを実行しようとしたら、親としては止めたくなります。
そこで、先ほどの混乱が生じるわけですが、その混乱が大きくなるほど、子供は、「自分の親は、自分のことを理解してくれない」とより強く考えてしまうことになります。そうなると、親に対して心を閉ざしてしまいます。
心を閉ざしてしまうと、不登校対応としては、その閉ざした心を開くことから始めなければならず、その分、時間と手間がかかります。
「学校に行ってほしい」とは思うものの、きっと何か理由があって不登校になっているから、その不登校の状況を受け入れようと思うことで、子供には「自分のことを受け入れてくれた」と伝わり、それが親子の信頼関係を強め、円滑なコミュニケーションが可能となります。
2 「この子の将来はどうなるのだろう」と不安に思うけれども、きっと大丈夫と希望を抱く
自分の子供が不登校になれば、ほとんどの親は将来に対して不安を抱きます。もし万が一、このまま不登校の状況が続けば引きこもりとなり、子供の将来は閉ざされることになります。そのような将来を思い描くと、不安は募ります。
そして、親がそのように悲観的になっていると、それが子供に伝わります。ただでさえ、不登校になったことで、自分の将来は閉ざされたと落ち込んでいるのに、身近な親もそのようになっていたら、子供は将来に希望を見出せません。
難しいことですが、不登校という状況の中で、きっと大丈夫と親が希望を抱くことで、それもまた子供に伝わります。
3 「うちの子には、何か問題があるのだろうか」と思うけれども、学校には行っていないけれども問題があるのではないと信じる
普通の子にできていることが、自分の子供にはできていない状況の中にあると、「うちの子には、何か問題があるのだろうか」と思ってしまいます。
ただ、特に問題がなくとも、誰でもが不登校になりうると、文部科学省も認めています。うちの子は、単に学校に行っていないだけで、何か問題があるわけではないと、親が信じてくれれば、それも子供に伝わりますので、親子間の信頼関係は強くなり、コミュニケーションがやりやすくなるでしょう。
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