不登校カウンセリングブログその1256.不登校になった子供には、できるだけ早く、「不登校になったことは、別に特別なことでもなく、悪いことでもない」ことを伝えてあげてください。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年10月6日
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不登校の状況になった子供は、さまざまなことで「自分はダメだ」という自己否定感を抱いてしまっています。
不登校に至るまでに、友達との人間関係がうまくいかなかったという経験があったのでしたら、「自分は人間関係をうまくやれない人間なんだ」という自己否定感を抱いているでしょう。子供が思春期の中にいる場合は特に、その自己否定感を強くします。思春期においては、同年代の人間関係の中で自分という存在をとらえ、自己確立していくので、その人間関係がうまくいかないと、大人が想像する以上に、子供にダメージを与えます。
勉強でつまづいて、不登校になったのでしたら、勉強ができないことへの自己否定感を抱いているはずです。学生時代は、勉強がかなり大きな部分を占めていますので、その勉強ができないことも、深い自己否定感につながります。
思春期に多く見られる、自己否定感もあります。思春期においては、自分とは何か、自分の存在とは何かを深く考えるようになります。そして、特に何か劣っているわけでもないのに、まだ何者でもない自分という存在が取るに足らないように思えて、劣等感を感じ、そこから自己否定感を抱くこともあります。
不登校になって、自己否定感をまったくもたないケースもありますが、多くのケースでは、何らかの自己否定感を抱いているはずです。そして、不登校の状況になったら、さらに新しい自己否定感を抱くようになります。それは、学校に行っていないことに対する自己否定感です。他の多くの子供たちは、普通に学校に行っているのに、自分は学校に行っていないという自己否定感が加わります。
不登校の状況を解決するカギの一つが、子供が抱いている自己否定感を軽くし、解消していくことです。子供が抱いているさまざまな自己否定感に対して、それがどのような自己否定感なのかを定め、それを解消していくことが、不登校の状況の解決には欠かせません。
この自己否定感の解消が難しいのは、さまざまな自己否定感が絡み合ってしまうからです。自己否定感が一つだけなら、その自己否定感を解消するための、子供へのアプローチはそんなに複雑ではありませんが、自己否定感が複数になると、アプローチが複雑になり、解消が難しくなります。
子供が抱く自己否定感をできるだけ少なくし、絡み合うのを防ぐためにも、不登校になったことについての自己否定感を軽くしてあげることに重点を置くと、その後の展開が楽になるかもしれません。不登校に至るまでに抱いた自己否定感については、それが形成されるまでに時間がたっていて、根深いものがありますので、解消するには時間がかかるでしょう。
しかし、不登校になったことについての自己否定感は、不登校になってそれほど時間がたっていないのでしたら、まだ形成されて間もないので、比較的解消するのが容易です。
不登校になることは、決して特別なことではありません。20万人に近い子供たちが、不登校になっているのですから、普通に起こりうることです。それは文部科学省も認めている事実です。
当然のことながら、不登校になることは悪いことでもありません。不登校になって、「親に対して申し訳ない」と思う子供がいますが、そんなふうに思う必要はまったくないのです。
不登校は、あくまで休息です。何らかのことによって、疲れた心や体を休めている状況が不登校です。体の調子をおかしくした人が、ベッドで休んでいることを、とがめる人がいるでしょうか。不登校も全く同じことです。
そういうことを子供たちに伝えて、不登校になったことに対する自己否定感を軽くしてあげてください。
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