不登校カウンセリングブログその1258.不登校の状況は確かに辛いことですが、将来のことや人生を深く考える機会にもなります。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年10月8日
- 読了時間: 4分

不登校の状況の中にある子供たちも、そのご家族も、「早くこの状況が終わってほしい」と願っておられるでしょう。その状況がずっと続くと、子供の人生が行き止まりになってしまい、決して望ましい状況ではありません。
望ましい状況ではありませんが、長い人生の中で非常に特殊な状況でもあります。ほとんど誰ともコミュニケーションをとらず、一人静かに過ごすという状況は、おそらくその後の人生においてはないことだと思います。
その状況をできるだけ早く変えることが、親御さんにとっても子供にとってもベストです。しかし、そのような状況はもう二度とないと考えると、せっかくですから、そこでしかできないことをやるのも、不登校の状況を過ごす一つの方法かもしれません。不登校の状況を変えようと努力しつつも、そこでしか経験できないことを経験していくのも、不登校の子の将来をより希望に満ちたものにする方法かもしれません。
その、不登校の状況でしか経験できないことというのは、一人で静かな環境の中で、普通は考えないことを考えるということです。不登校の子の心が落ち着いてきて、将来のことや人生を考えることに拒否反応を示さなくなってきたら、そういうことを考えるための材料を、親御さんから子供に伝えていければ理想的です。
1 人は何のために生きているのか
このことについて疑問を持っている子はけっこういます。このテーマは非常に深く、大人でも簡単に答えることはできないでしょう。不登校の間に、子供自身で答えは出ないかもしれませんが、以降の人生において考えながら答えを見つけるためにも、考えるための材料を不登校の間に与えておくといいかもしれません。
この答えは、人によってそれぞれです。私は、苦しみや悲しみを含めて、さまざまな経験を経て、心を成長させていくことと考えています。
2 社会に出て何をすべきか
これも人によってさまざまです。金持ちになりたいという人もいるでしょう。有名になりたいという人もいるでしょう。
私は、人はみな、何らかの使命をもって生まれてきていると考えています。使命、志と言ってもいいかもしれません。生きていて経験を重ね、生きていく中で実現することです。その使命が、人生の最初からはっきりしている人もいたら、年齢を重ねないとはっきりと分からない人もいます。
いずれにしても、使命を探し、実現していくことが社会でなすべきことではないかと考えています。
3 勉強する目的
不登校の子供の中には、このことに悩んでいる子がいます。勉強する目的がはっきりと分からないため、学校に行けないという子です。
この目的も人によってさまざまでしょう。私は、知識を増やすことによって考える範囲を広げることと、考える力を高めることだと考えています。
人間は、考える際、何らかの知識を土台にします。逆に言うと、知識がないと考えることができないのです。政治のことについて考えようとしたら、政治の知識が必要です。不登校のことを考えようとしたら、不登校の知識が必要です。勉強することによって知識が広がり、それによって考える範囲が広がります。
また、勉強する過程では考えるというプロセスを繰り返します。一般に、そのプロセスを繰り返すほど、考える力が高まります。
勉強することで、考える範囲が広がり、考える力が高まりますので、それらが勉強の目的だと私は考えています。
4 苦難や挫折の意味
不登校の状況を、多くの子供は苦難や挫折の機会ととらえているでしょう。そのような機会ではありますが、では、苦難や挫折はどうして起こるのでしょうか。おそらく、生きていて避けることはできない、そうした機会には、まったく意味がないのでしょうか。
苦難や挫折は、辛い状況ですが、まったく意味がないわけではないと思うのです。そこで自分を見つめますし、自分に足りないものや改めるべきものを悟ることにもなります。その結果、成長する機会にもなりえます。
苦難や挫折を、そのような機会ととらえ、意味を見出すことができたなら、以降の人生でも、同じような苦難や挫折が起きたとしても、恐れるものはなくなります。
ほかにも、静かな一人の環境で考えるのにふさわしいテーマはあります。そうしたことについて、子供にいろいろと考えてもらうよう、考える材料を与えることが、不登校の状況の中でやれることだと思います。
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