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不登校カウンセリングブログその1262.子供が不登校になってしばらくの間は、希望が見えず、他人の助言も耳に届かない状態です―自分の心を穏やかにして、子供を「見守る」べき時―



 わが子が不登校になり、親が一生懸命、子供を元気づけたり励ましたりしようと、言葉をかけますが、多くの場合、子供にその言葉は届かないです。


 子供が不登校になってからしばらくの間は、将来への希望が見えず、他人の助言も耳に届かない状態になっています。子供はこれから先、素晴らしい希望があるとは思えず、明るい将来になどならない、と失望してしまっていることもあります。他人から心のこもった助言を聞いても、「そんなことはない」と否定してしまって、心に届かないでしょう。


 時には、親御さんへの他人からの言葉も、親御さんの心に届かないことがあります。その人が本当に親御さんのことを思い、その言葉の内容も適切なものであったとしても、届かないことがあります。


 不登校に限らず、予想しなかった辛い状態や厳しい環境になると、しばらくの間、人は希望を見出すことはできません。また、自分にとって適切な助言であっても、受け取ることができません。


 そうなるのは、当然なのかもしれません。辛い状態や厳しい環境に置かれると、人は、心が揺れ動き、波立ってしまいます。心が揺れ動くと、悲観的になってしまいます。希望がきちんとあるのにもかかわらず、心が揺れ動いてしまっているために、見えないのです。また、他人が適切な内容の助言をしてくれているにも関わらず、「そんなことはない!」と否定してしまうのです。


 人は、自分の心で、すべてのものを受け取ります。身の回りのことも、将来のことも、他人からの言葉も、すべて心で受け取ります。目に見えたり、耳で聞いたりしたことを、心という鏡に映して、そこでいろいろと考え、判断しています。心という鏡が揺れ動いていると、その鏡に映ったものが歪んでみててしまって、それらを正しく受け取ることができないのです。


 私はカウンセリングでは、不登校直後からしばらくの間、親御さんに対してはまず、揺れ動く心をできるだけ平静にするよう、お願いしています。難しいと思いますが、できるだけ平静にしないと、「きっとこれから先、不登校は解決していく」と希望が持てず、カウンセリングのアドバイスも受け止めることができないのです。


 たびたびブログで取り上げてきましたが、人は自分の心をコントロールできます。そのコントロール力を使って、たとえ今、不登校がすぐに解決しなくとも、自分の心を平静にすることは可能です。そうすることで、今まで見えなかった希望が見えてきて、周りの物事を正しく受け止めることができるようになっていきます。子供の様子もより具体的にとらえられるようになり、今、子供がどういう気持ちなのかを正しく理解できるようになります。そうなれば、子供にとって適切なコミュニケーションが何か、分かるでしょう。


 そして、子供に対してですが、子供は大人のように、自分の心をコントロールする力がありませんので、心がある程度、平静になっていくのを待つのがベターでしょう。不登校直後の、心が揺れ動いている状態から時間がたてば、ある程度心の状態が平静になっていくはずです。


 その期間、親御さんとしてはもどかしいし、焦りを感じるかもしれませんが、子供の心が平静になっていって、コミュニケーションが可能になる状態になるまで、見守るほかありません。時間はかかるかもしれませんが、時間がたてば子供の心は平静になっていくでしょう。




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