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不登校カウンセリングブログその1276.「不登校解決のゴール」は、元の学校に戻すことだけではありません。



 わが子が不登校になっている親御さんの多くは、不登校解決のゴールを、元の学校に戻すことと考えておられるでしょう。私も、それが比較的、さまざまな負担が少ないゴールだとは考えています。ただ、それしかないと考えると、親御さんも子供も、自分でハードルを高くしてしまう危険性があります。


 元の学校に戻るということは、子供にとっては、既に知っている場所に戻ることであり、その場所のことを既に知っています。まったく知らない場所に新天地を求めるよりも、プレッシャーなどは少ないでしょう。親御さんは、新しい場所を探す手間も省けます。そういう意味で、負担は少ないでしょう。


 しかし、子供が、元通っていた学校に対して、良い思いを抱いていない場合、あるいはどうしても「学校」という場所に戻ることに苦痛を感じる場合、元の学校に戻すことだけを、不登校解決のゴールとして設定しますと、子供はどうしても学校に戻ることができず苦しみますし、解決に至るまでの時間が長くなってしまいます。それによって親御さんの負担も大きくなってしまいます。


 不登校が解決した状態とは、子供が、

・自己肯定感を少しずつ取り戻していき、

・自分の将来に希望を持ち始め、

・不登校の状態から脱出する方向を決めて、その方向に進むための活動をやり始めること

だと、私は考えています。


 不登校の状況にある子供の大部分が、自己肯定感を失ってしまっていることは、不登校のことを調べておられる方であれば、ご存知のことでしょう。その自己肯定感を取り戻してくことが、不登校の解決の条件だと思います。それと同様に、失ってしまっていた希望を持ち始めることも、不登校が解決したという条件になるでしょう。


 このような心の状態になれば、必然的に、今の不登校の状況から脱出する方向を決めることになります。再び学校に戻るのか、家で勉強して進学に備えるのか、通信制高校に行くのか、専門学校に行くのか、大学に行くのか、そういう方向を決めて、そのための活動をやり始めます。たいてい、その活動は勉強ということになりますが、音楽など、自分が進みたい道を深めることも当てはまります。


 不登校の解決をこのようにとらえると、家で勉強し始めることも、「不登校の解決」ということになります。それは、「どうしても、集団生活になじめない。だから、集団生活のある学校に戻れない」という子供にとって、解決のハードルを低くすることになります。そして、「不登校の状態から、早く脱出しなくてはならない」というプレッシャーを、軽くすることになります。


 そのように、不登校の解決をとらえるためには、多様な価値観を持つことが、子供自身にも親御さんにも、求められることになります。









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