不登校カウンセリングブログその1290.不登校の安定期での、不登校解決に効果のある、子供とのコミュニケーション。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年11月9日
- 読了時間: 3分

子供が不登校になった直後、しばらくすると一般的に「安定期」と呼ばれる時期に入ります。これは、子供とその親御さんの、不登校に関わる混乱がおさまっているものの、子供は外に積極的に出る状態ではなく、部屋にいてゲームやスマホに時間を使っている状態です。表向きは、子供は平静になっているように見えます。昼夜逆転の生活になることも多く、この時期は一番、親御さんにとっても焦りを感じる時期かもしれません。
実際、不登校が解決に至るまで、この安定期が最も長くなります。不登校がどれくらいの時間続くかにもよりますが、数カ月から、場合によっては数年、続くこともあります。そんなに続くのですから、親御さんには、「いつまで続くのだろうか」と不安に感じる時期ともなります。
この安定期において、不登校を解決の方向へと導く、子供のコミュニケーションとはどのようなものになるのでしょうか。
まず、子供の心の状態をよく見て、何か親に言いたいことがあるのか、聞いてほしいことがないか、つかめるとコミュニケーションがやりやすくなります。子供によるのですが、この時期、「あまり自分の心の内を教えたくない」ということもあれば、「聞いてほしい」ということもあります。それによって、コミュニケーションの方向性が変わってきます。教えたくないということでしたら、その心の中にあまり立ち入らない、聞き出さない方向のコミュニケーションとなります。聞いてほしいということでしたら、コミュニケーションはその逆となるでしょう。
次に、コミュニケーションをとる時のスタンスです。この時期、子供は不安でいっぱいです。このままいけば、将来はない、不登校のままではまずいと、不安や焦りを感じています。そんな時に、親御さんも一緒になって、大きな不安や焦りを心の中に抱えていますと、それらの思いが言葉になって出てしまいます。
「これからどうするの」
「このままでいいと思っているの」
というような言葉を、子供にかけることになります。そのような言葉を聞くと、子供はますます、不安や焦りを大きくしてしまいます。
そこで、親御さんにはできるだけ、「この子は大丈夫、不登校の状況は解決する」という思いを持っていただきたいと思うのです。この時期は、子供も親も焦りや不安を抱えています。そんな中で、親御さんに、「この子は大丈夫」という思いを持っていただくのは、難しいことでしょう。その難しさを承知で、そういう思いを持っていただきたいと思います。
そういう思いから発される言葉は、子供を安心させます。少なくとも、子供の焦りや不安を小さくしていくでしょう。
次に、子供にかける言葉の内容ですが、「大丈夫よ」という言葉をかける際、それを子供が受け入れそうか、そうでないかの判断が必要です。あまりにも深く、子供が落ち込んでいるような場合、「大丈夫」という言葉をかけると、子供によっては、「お母さんは気楽に考えている」と不信感を抱いたり、「何が大丈夫なの」と反発したりしてくることもあります。深く落ち込んでいる場合は、「辛いよね」という共感の言葉の方が、子供の心の傷を癒してくれるでしょう。
生きる希望について話すのも、100%ではありませんが、効果はあります。「自分には希望などないのではないか」と思い込んでしまっている、子供に、不登校の子供を数多く知っている保健室の先生が、「希望はあるよ」と伝えたところ、子供の表情が明らかに変わった、ということもあります。
子供が悩んでいることに対して、それを返すような言葉をかけることが、この段階のコミュニケーションでのポイントになります。ただ、あまりそのような言葉をかけすぎると、子供が抵抗を感じることもありますので、雑談を中心にしながら、その中にそのような言葉を交えていき、少しずつ、子供が抱えている悩みや苦しみ、不安を解消していきます。
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