不登校の状況を乗り越えた親御さんの多くが、当時のことをふり返って、「不登校を受け入れた時、その状況が少しずつ動き始めた」とおっしゃいます。不登校を受け入れた時というのは、受け入れる時までは「早く不登校を解決しよう」という思いだったのが、「この不登校の状況の中でも、何か学ぶべきことがある、やるべきことがある」という思いに変わった時です。
わが子が不登校になれば、「早く学校に戻れるようにしたい、不登校の状況を解決したい」と思うのが親心です。それはそうでしょう。不登校の状況のままでは、わが子の人生が「詰んで」しまっているように見えます。先がないように見えます。
しかし、「早く解決しよう」という思い、あるいは焦りが薄れていくと、親はどっしりと構えて、その状況を受け入れるようになります。そして、「この状況から何か、学ぼう」という思いになります。そこで状況が動き始めるのです。
これはなぜなのか、確実なことは言えません。ただ、推測を交えると、親の心の変化が、子供の心に影響を与えているのかもしれません。「早く不登校が解決してほしい」という思いを、子供は、不登校の状況にある自分を否定されているように受け止めてしまいます。子供は、ある意味、外の世界から否定されてしまったように感じています。それに加えて、親からも否定されたと感じてしまいますと、外の世界から完全に閉じこもってしまいたくなるのでしょう。
しかし、「不登校の状況から何か学ぶべきことがある」という思いに変えることで、子供は、自分を受け入られたと感じ、それが安心感につながるのかもしれません。安心感があれば、外の世界に目を向けやすくなるのでしょう。それが、不登校の状況の変化ということになるのでしょう。
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