不登校の状況にある子供たちの心の内は、本当にさまざまです。一人として同じ心はありません。そこまで一人の人間として生きてきた歴史が違いますし、友達関係、家族関係も異なります。個性も違えば、価値観や考え方も違います。
ですので、不登校の状況を変えると言っても、そのためのアプローチもまたさまざまで、同じものはありません。ある程度、「これをやるとかえって状況がマイナスになる」というものはありますし、「こういう状況の時は、こうやるといい方向に進む可能性が高い」というものもありますが、それも100%ではありません。
では、どうすれば不登校の状況を変えていけばいいのかというと、それは子供たちの声をよく聴き、その心の状態をよく知ることです。不登校の状況にある子供たち、苦しい状況にある子供たちの多くが、やはり自分の苦しみや悲しみを聴いてほしいと願っています。すべての子供たちがそうだとは断言しませんが、大部分の子供たちの願いではあります。その言葉をよく聴くことです。
聴くという行為は、静かに子供の声に耳を傾け、その声を通してどういう心の状態なのか、何をどう苦しんでいるのか、悲しんでいるのかをよく知ることです。もっと心を知るために子供の言葉をさえぎらないように質問したり、その苦しみや悲しみに共感した言葉を発することはあります。しかし、間違っても、相手の言うことを否定したり、焦ってアドバイスしたりすることは避けてください。
子供たちの心の状況をより詳しく知れば知るほど、子供たちが望んでいることが何か、少しずつ分かってきます。100%分かることはないかもしれません。それでも、そういうことが分かってきたら、何をすればいいか、分かってきます。
すごく落ち込んでいるのでしたら、なぐさめたり、休めたりするようなことを、元気が出てきたら、さらに元気が出てくるようなことを、外の世界に出たいと思い始めているのでしたら、背中を押すようなことを、それぞれやっていけばいいのです。子供の反応をみて、手探りでやっていくことになりますが、子供の心を見ているので、成功する可能性は高くなります。
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