前回のブログに続き、不登校の子供たちが家で暴れるケースについて書いていきます。前回は、そういうことが起きないようにする「防止」について書きました。今回は、既に起きてしまった状況での「対応」についてです。
既に、家庭内の暴力を経験されている親御さんは、暴力の後、子供が落ち着いた時に、子供たちが泣いたり、「ごめんなさい」と親に謝ってきたりすることを、経験されておられるのではないでしょうか。子供の多くは決して、暴力をふるいたいわけではなく、自分でも気持ちが抑えきれない状態になっているのでしょう。
既に起きてしまっている暴力という状況における対応は、やはり暴力を抑えるということでしょう。子供が落ち着いている時に、可能であれば話し合って、暴力は受け入れられないこと、暴力以外のきちんとした言葉であれば、聴くことを伝える、という対応が考えられます。
そのことを伝えて、もし暴力をわずかでもふるったら、自分は外に行くが、それはあなたを見捨てるとか、そういうことではないことも伝えておき、実際に暴力をふるってきたらどこに行くか、ある程度考えておくべきでしょう。自分がいなくなっている時、もし兄弟姉妹がいて、その子らが帰宅してきたら、その子らに暴力が及ぶ可能性もありますので、あらかじめそうならないような対応も考えておくべきでしょう。
そして実際に、暴力をふるってきたら、外に出て一定時間過ごし、子供の心が落ち着いてきたころに帰宅する、というようにすれば、暴力を受けなくて済むことと、暴力は受け入れてくれないことを子供に伝えることになり、暴力への抑止効果が期待できます。
それでも暴力が止まらない場合ですが、親が力づくで止めようとすると、親子相互に、けがをする危険性があります。そこで、暴力の程度によりますが、警察の介入によって防止することも方法として考えておくべきです。
家庭内の、わが子による暴力で、警察を介入させることには、おそらくほとんどの親御さんがためらいを感じるでしょう。当然だと思います。ただ、暴力の状態をずっと続けていると、親も子も傷つき、疲れてしまいます。希望がない状況が続くことになります。できるだけ早くなくすように、警察の介入も考えておくべきです。
親子関係や子供の心の状態によりますが、もし警察を介入させる場合は、可能であれば子供に、そのことを伝えておくという方法もあります。子供が落ち着き、そのことを伝えても暴れないと予測されるときに、暴力は受け入れられないから、警察の介入も検討している、でもそれは、お互いに傷つかないためだということを伝えておくと、警察を呼ばれたときの子供のショックが小さくなるでしょう。
ただ、間違っても、子供を脅して暴力行為を抑えるために伝えてはいけません。あくまでも、介入させることの目的を伝えて、必要以上に子供を傷つけないための措置です。
そして子供が落ち着いたら、子供の心の内の思いを、よく聴くというフォローも必要です。子供が暴力行為に及ぶ背景には、自分の心の内にある苦しい思いが積もり積もっているということがあります。その思いに寄り添って解消してあげることが重要です。
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