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不登校ブログその763.不登校の原因は「家庭での子育て」にあるのではなく、教育行政、教育に関する政治にあるのでは?

 「不登校になるのは、家庭での子育てに原因がある」という考えを、時々耳にします。そういう考え方は単純です。人は、単純な考え方を基本的に好みますので、不登校の原因を家庭での子育てに求める考え方が、一般には支持されているのかもしれません。


 しかし、不登校のご家族とお話ししたり、いろいろな情報を集めたりしていくうちに、その考えが当たっていないのではないかという疑問が大きくなり、今ではもっと別のことに原因があるのではという推測に変わっています。


 では、何に原因があるかというと、教育行政、教育に関する政治です。ここに不登校の原因があると推測しています。


 不登校が見られるようになったのは、1970年代。当時はまだ、不登校という言葉はなく、人数もごく少数でした。当時のテレビ番組「金八先生」の中で取り上げられた時も、どちらかというと心に病を抱えている子供がなるものというニュアンスでした。


 それから増加していき、1991年には小学生で0.14%、中学生で1.04%だったものが、2017年にはそれぞれ0.54%、3.25%と3倍になりました。


 この増加傾向は、日本が豊かになっていった状況と重なっているように見えます。正確には、平成時代は日本経済は横ばいで経済成長はほとんどストップしていますので、100%の重なり具合ではありません。ただ、平成時代もそれなりに豊かになっていますので、豊かになっていく中で不登校も増えていったと言えるでしょう。


 豊かになれば、進むのは個性化と多様化です。例えば、昭和30年代のニュース番組などで、街頭テレビの前に集まっている子供たちを見ていると、みんな似たように見えます。家には個室はなく、集団で外で遊ぶという状況の中では、みんな似たり寄ったりとなるのでしょう。


 それが豊かになれば、家には子供専用の個室があり、さまざまな遊び道具や習い事が増え、子供たちにとっては選択肢が増えることになります。そうなると、個性化と多様化が進んでいきます。


 子供たちは個性化と多様化が進む中、学校は100年以上前に整えられた制度で運営され続けています。すなわち、集団に対して一か所で授業を行うマス教育です。この教育システムの良いところは、教育費用があまりかからないことです。みんなが集団の中で授業を受けることに抵抗がないのでしたら、非常に効率がいいシステムです。


 しかし、子供たちには個性化と多様化が進みました。その中には、集団の中で生活するのは苦しさを感じてしまう子もいるでしょう。個性化・多様化の中で、そういう子が出ているにも関わらず、教育システムは相変わらずマス教育です。マス教育に合わず、不登校になる子が増えるのは当然です。


 そう推測しますと、不登校の原因の多くは、教育行政、学校に関する政治にあるのではないかという考えが成り立ちます。本来なら、不登校が増えていった時点で、政治がその不登校の構造に気づき、マス教育のみの教育制度を変えていく必要があったのです。少人数制の学校を創設し、あるいは海外のようにホームスクーリングも認めたら、不登校の大部分はなくなっていたでしょう。


 教育において他の選択肢がないから、やむを得ず「不登校」という選択肢を選ばざるを得ないのが、現在の状況です。



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