不登校のわが子に対して何をすればいいか、わからない。ある人に聞いたら、「積極的に話しかけた方がいい」というアドバイスだったが、別の人に聞いたら、「しばらくそっとしておいた方がいい」とアドバイスされた。どっちが正しいのだろうか。
そういう迷いを持っている、不登校のご家族はいらっしゃるでしょう。いろいろな人が、いろいろなアドバイスをしてくれます。時には、相反するアドバイスを聞いて、迷ってしまうこともあるでしょう。
実際、そのどちらもが正しいことが、不登校においては多いです。先ほどの例で言えば、積極的に話しかけた方がいいことはあります。子供が家で十分休息をとり、エネルギーがたまってきて、家族とのコミュニケーションを拒否しなくなっている場合、積極的に話しかけた方がいいです。話しかけて、子供の心の中にある、自己否定感や疑問などを解消するようにしていくべきです。そのような状態の時は、「待つ」という選択肢をとると、時間がたつばかりで状況が変化しません。
ただ、しばらくそっとしておいた方がいいこともあります。子供の心が深く傷ついているような時、エネルギー切れを起こしているような時は、あれこれ子供にアプローチしても、子供は「うっとうしい」と思うだけで、かえって逆効果になることがあります。そういう時は、そっとしておいた方がいいでしょう。
不登校の状況を変えるための、子供へのアプローチは、「これが正しい」というものはありません。子供の個性、不登校に至るまでの過程、現在の心の状態、親子関係、不登校いなった原因、交友関係など、さまざまな要素が不登校という状況に影響していて、ある子供にいい影響を与えたアプローチであっても、別の子供には好ましくないアプローチになることがあります。
ですので、どうしても不登校の状況を変えるためのアプローチは、試行錯誤が避けられません。先ほどの要素をいろいろ考えた上で、これがベターではないかと思われるアプローチを試してみて、子供がどういう反応を示すか、よく見て確認しながら進めていくことになります。
その時、最も重視すべきはやはり、子供の心の状態でしょう。子供の心の状態が、コミュニケーションを望んでいるのか、それともそっとしておいてほしいのか、その違いだけでも、アプローチが変わってきます。
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