不登校の子供たちの多くが抱いてしまっている自己否定感は、小さくなっていかなければ、不登校の状況はなかなか変わっていきません。そのためのコミュニケーションについて、書いていきたいと思います。
まず、不登校に至るまで疲れ果て、エネルギー切れを起こしている状態で自己否定感を抱いている場合は、何よりも休ませてあげるべきでしょう。もし、あなたが疲れ果てている場合、なかなか前向き、積極的な考えにはなりにくいのではないでしょうか。そんな場合は、どうしても自己否定感を抱きがちになりますので、休ませてエネルギーがわいてくるのを待つべきでしょう。
ある程度エネルギーを取り戻し、周囲の人からのコミュニケーションを拒否していないのでしたら、コミュニケーションをとっていくことになります。その内容は、自己否定感の内容によって変わってきます。
まず、いじめによって自己否定感を抱いている場合です。この場合は、いじめをする側の方が悪く、いじめは犯罪であること、いじめを受けた側は明らかに被害者であり、被害者が「自分はダメだ」という自己否定の思いを持つ必要は、まったくないことを伝えてあげるべきでしょう。いじめを受けるとどうしても、「自分はダメだ」という自己否定感を抱いてしまいがちですが、いじめる側=悪、ということをしっかり伝えておく必要があります。
学校に行けていないことに対して、自己否定感を持ってしまっている場合、今は誰でも不登校になる可能性があり、それ自体が何か特別、問題があるわけではないことを伝えてあげてください。思春期に入って不登校になるような場合、心が成長して他人の目が気になるようになったことが原因となることがあり、不登校それ自体はある意味、「成長のあかし」と言えるので、そうしたことを伝えて、子供が自己否定感を持ちすぎないようにしてあげてください。
勉強ができなくて落ち込み、自己否定感を抱いてしまっている場合、たとえその時点ではわからなくとも、努力したことに価値があることや、理解できなかったり、正解を出せなかったりしても、考える力が高まっていることを伝えてあげてください。勉強して高い点数をとれるのは望ましいことですが、それだけが勉強で得られることではありません。後の人生で活きてくる、努力する力や考える力を高めることも、勉強によって得ることができます。
自己否定感にはさまざまなものがあり、その思いを軽くするためのコミュニケーションもまた、さまざまです。子供の心の状態をよく見て、適切なコミュニケーションをとることで、その自己否定感が軽くなり、不登校の状況が変わっていくきっかけとなります。
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