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不登校ブログその815.起立性調節障害の身体的重症度と4つのサブタイプ

 前回のブログに引き続き、不登校に関わりのある起立性調節障害のレベルと4つのパターンについて、書いていきます。田中英高著『改訂 起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』(中央法規)が詳しくてわかりやすいので、もしお子様が起立性調節障害の兆候が見られる場合は、ぜひお読みください。


1 身体的重症度

(1)軽症

 朝起きれないことがあるものの、学校には通えている状態です。日常生活への影響はまだ小さいです。子供自身も周囲の人も、起立性調節障害だとは考えていないため、病院に行って診察してもらうことはあまりありません。ただ、この軽症の段階で治療を行えば、比較的短期間で治しやすい状況です。


(2)中等症

 朝、ほとんど起きられなくなり、学校に行くことが困難になっている状態で、週に1~2回遅刻や欠席が見られます。軽症の段階よりも症状が長引き、午前中いっぱい続くこともあり、日常生活に支障が出ます。

 この段階で異常を認識し、病院に行き始めることが多いです。子供が起立性調節障害になっている場合、多くがこの中等症レベルです。

 

(3)重症

 ほとんど毎日、日常生活と学校生活に支障が出ます。一日中、起きられなくなります。抵抗力も弱まり、他の病気を併発していることもあります。うつ病などにかかっていることもあります。この段階まで進んでしまうと、病院での長期間の治療が必要です。


2 起立性調節障害の4つのサブタイプ

(1)起立直後性低血圧

 起立性調節障害の中で、最も多くみられるタイプです。横になった状態から急に立ち上がった時、一時的に血圧が下がって動悸やめまい、立ちくらみが起こります。


(2)体位性頻脈症候群

 起立中の血圧低下はないものの、起立後の心拍が上昇したままの状態となります。動悸が激しく疲れやすくなります。


(3)遅延性起立性低血圧

 起立直後の血圧・心拍数は正常であるのですが、数分後に徐々に血圧低下が見られるタイプです。


(4)血管迷走神経失神

 起立中に急に血圧が下がって失神したり、意識レベルが下がったりするパターンです。軽いものでしたら、大人になるまである程度の割合の人が、経験していると言われています。起立直後性低血圧や、体位性頻脈症候群と合併している場合、治療が必要となる場合があります。



 起立性調節障害は研究も進んできて、診断方法と治療方法が確立されていますので、疑いがある場合は専門の医師に早めに診断してもらうと、軽度で、かつ短期間で済みます。



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