不登校ブログその844.「不登校は子育てに原因がある」というような言葉にご注意ください。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2021年7月28日
- 読了時間: 2分
不登校関連の書籍や、不登校カウンセラーの中には、「不登校は子育てに原因があります」「わが子を不登校にする親の〇個の特徴!」のようなことを宣伝文句としているものがあります。不登校の原因は、親にあるという考え方です。
実際に、不登校カウンセラーとして、不登校になったご家族と接していると、あるいはツイートやブログ、書籍などさまざまな資料を調べていると、そのような考え方が本当に正しいのかと、疑問に思います。不登校の子供たちは、優しく、他人への配慮があり、頑張り屋の傾向があって、子育てに失敗したというよりも、子育てがうまくいっているようにも感じます。
不登校はさまざまな要因が絡み合って起こります。いじめ、勉強や部活、人間関係、クラスの雰囲気、将来への不安、劣等感など、一つの要因のこともありますが、それらが合わさって不登校になることが多いです。それをたった一つの要因、「子育て」や「親」に、不登校の原因を求めるのは不思議としか言いようがありません。
その理由を考えると、ある一つのことに思い至ります。それは、そうすることで親を不安にさせ、書籍やカウンセリングの売り上げを伸ばすことができるからではないか、ということです。
「子供を不登校にする親の〇個の特徴!」というような書籍名にすると、わが子が不登校になった親の関心は引きやすくなります。不登校直後は、親は「どうして不登校になったのだろうか。やはり親である自分が悪いのだろうか」と不安になります。そんな不安を抱えている中で、先ほどのような書籍名を目にすると、気になって買ってしまうでしょう。
カウンセリングにしてもそうです。「親が変わらなければ不登校は解決しない!不登校にしてしまった親が30日で変わるためのカウンセリング」のような宣伝を目にすると、やはり気になってしまって、カウンセリングを受けてみようか、という気にさせられてしまいます。
何か問題が起こると、その問題の原因が自分にもなかったのか、と考えることは、間違ったことではありません。ただ、自分に大部分の原因を求めるようになると、非常に落ち込んでしまい、心が弱ってしまいます。そんな時に、先ほどのような書籍やカウンセリングの宣伝文句を目にすると、ますます冷静な判断ができなくなってしまい、不登校の状況を変えていく上でマイナスとなってしまいます。
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