不登校ブログその890.最近、わが子が不登校になった親御さんにお伝えしたい、「不登校は子育てのせいではない」こと、「不登校の解決のために、親が変わらなきゃならないわけではない」こと。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2021年9月12日
- 読了時間: 3分
2学期になり、わが子が不登校になってしまった、という親御さんはいらっしゃるでしょう。まさかわが子が不登校になるなんて、とショックで、不登校に関するいろいろな本や資料を見て、アドバイスを受けておられるのではないでしょうか。
その中で、「不登校になったのは親のせい」のようなテーマで書かれたものもあると思います。責任感の強い親御さんがそれを見て、「わが子が不登校になったのは、親である自分のせいだ」と落ち込んでしまうかもしれません。
ただ、そういうテーマをそのまま受け取るのは、ちょっと危険だと思います。不登校の事例を見ていて、子供が不登校になるのはさまざまな原因・背景があって、時にはそれらが絡み合って起こる、ということを実感しています。中には、子育てが影響している事例も、もしかしたらあるのかもしれません。それでも、「100%子育てに原因がある」ということではなく、他の要因も合わさって起こることであり、そのように断言することはできません。
不登校になる原因・背景には、
いじめ、友達との関係、先生との関係、クラスや学校の雰囲気、勉強の得意・不得意、子供自身がもともと持っている個性、思春期特有の考え方
等、さまざまなものがあります。
例えば、感受性が高く、他人に配慮するような個性の子供の場合、クラスの人間関係がギスギスしているようだと、それが嫌になって不登校になることがあります。このような場合、「子育てにすべて原因がある」とはなりません。いろいろな原因が絡み合っています。
もう一点、注意していただきたいことは、「不登校の解決のためには、親が変わらなきゃならないわけではない」ことです。いろいろな本や資料を見たり、アドバイスを受けたりする中で、「不登校の解決のためには、親が変わる必要がある」ということは、しばしば聞かれることだと思います。必ずしも、そういうわけではありません。
具体的に、どの部分をどのように変える必要がある、ということでしたら、まだいいと思います。どこをどのように変える必要があるということも言わずに、ただ漠然と、「親が変わる必要がある」と言われ、そのアドバイスを実行しようとすると、精神的にきつくなっていきます。具体的に何を変えるか分からないですし、自分で自分を全否定しているような気になっていきます。
わが子と接する過程で、「自分のこういう部分は、ちょっとこのように変えた方がいいかな」と気づいて変えるのは大丈夫だと思います。何らかの根拠がありますので、親としての「直観」にのっとっていくべきでしょう。それ以外の場合のアドバイスにのっとるのは、ちょっと危険です。
「不登校は子育てのせい」、「不登校の解決には親が変わる必要がある」という論理は、不登校の分野ではある程度広まっていて、不登校になった直後の親御さんを傷つけるものですので、そのような論理にはご注意ください。
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