不登校のわが子に対して、悩んでいることや苦しんでいることへのヒントや答えになると思って、母親がいろいろと話をするのに、「聞きたくない」「うるさい」と反発することがあります。どうして、そのように反発するのでしょうか。
第一の理由が、子供の心の状態が、母親からの話とずれです。よくあるケースですが、子供の心の状態がまだ、傷ついていて、何もする気がない、という場合、「早くこの状況から脱出してほしい」と母親が願っていて、「将来のことを考えたら」「時間があるなら勉強してみては」と話したとしても、その話を聞くことなく、反発してくるでしょう。
第二の理由は、何度も同じ話を繰り返してしまって、子供が「しつこい」と感じているということです。母親としては、何とか子供の心の支えになりたいと願っていますから、伝えたいことは何度も話すでしょう。それに対して、「しつこい」と感じてしまって、「聞きたくない」「うるさい」と反発するのです。
第三の理由は、母親への甘えです。やはり、子供には、母親に対する甘えがありますから、「母親の話していることは正しい」と感じてはいても、反発してしまうのです。
このような理由で反発してくる子供に対して、どのように対応すればいいのでしょうか。
まず、考えるべきことは、子供に伝えたいことが、子供の心の状態と著しくずれていないかどうかということです。別の表現にしますと、「伝えたいことが、子供にとっては早すぎないか」ということです。例えば、子供の元気がなく、外の世界に関心が持てないのに、「将来のことを考えるべき」と話すのは早すぎますので、反発を招いてしまうでしょう。もし、早すぎると感じたら、伝える時期はもっと後にすべきです。
早すぎるとは思えないのでしたら、たとえ反発を招いたとしても、伝えるべきことは伝える必要があります。母親への甘えから、反発してくるのでしたら、腹をくくって伝えていくしかありません。子供の元気が無かったり、傷ついているのでしたら、その子供の心への「共感」が重要です。心の状態が変わってきたのでしたら、「共感」から徐々に、子供に伝えるべきことを伝えるというコミュニケーションに、シフトしていく必要があります。
また、伝えたいことについて考えて、同じ表現ではなく、違う表現で伝えるようにすると、反発が小さくなるかもしれません。例えば、「勉強が大切だ」ということも、何度も同じ言葉で伝えるのではなく、その大切な具体例をいくつか伝えることで、表現を変えていけば、「同じことばかり言って!」という子供の反発を抑えることができるでしょう。
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