「何のために勉強するのか」という疑問に答えが見いだせず、学校に行く意味が分からないため、不登校や引きこもりになっている子供たちがいます。「いい学校に入って、いい会社に入って、安定した生活を送る」ためということが、勉強する目的というのが、これまでの世間一般の「常識」でした。しかし、ここ30年近くの日本経済の低迷によって、その常識が薄れてきたように思えます。そして、今年に始まるコロナ感染拡大の時代によって、その常識は崩壊していくと思われます。
このコロナ感染を封じ込めようと、政府や医療関係者、行動を自粛している国民が頑張っています。5月初旬までの一カ月、自粛して、コロナ感染を抑えようとしています。ただ、不幸の予言をしたくはないのですが、感染のメカニズムと、ワクチン開発の難しさを知ると、一カ月でおさまるとはとても思えません。基本的に、国民の7割程度が感染して免疫を獲得する「集団免疫」を達成するまで、感染はおさまらないと思うのです。
イギリスがやろうとしたように、特に行動を自粛せずに集団免疫を獲得するのが、感染がおさまるまでの期間は早いでしょう。しかし、イギリスが慌てて封じ込め作戦に変更したように、あっという間に感染は拡大し、医療現場はもちろん崩壊し、犠牲者も多数出て、社会が本当に崩壊してしまうでしょう。崩壊させないように、おそらく今後、行動自粛と緩和をだらだらと繰り返し、徐々に集団免疫を獲得する方向に、対策は進むはずです。そのため、感染拡大が止まるまでに1年から2年はかかると思われます。その間、経済は相当打撃を受けます。すでに影響は出ていますが、大会社であっても潰れるというような時代になりそうです。
そう考えますと、「いい学校に入って、いい会社に入って、安定した生活を送る」ために勉強するという「常識」が、もう完全に崩壊します。勉強の目的は、そうしたものではなくなるのです。混乱した時代、常識が崩壊していく時代、先が見えない時代には、答えはありません。前例もありません。自分で考え、自分で答えを出していくしかないのです。そのための勉強です。勉強することによって、考える力を高めることができます。勉強する目的は、ここにあります。そのことを、不登校・引きこもりの子供たちに伝えてあげてください。「勉強する意欲がわかない」という子供たちに、意欲を持たせるきっかけになると思うのです。
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