不登校・引きこもりの状態にある子供たちは、心の迷路に入り込んでしまっていると言えます。心の迷路とは、このままではいけないと思っているのに前に進めない、外の世界に出ていきたいと思っているのに出ていけないという状態のことです。何らかのことをきっかけに、不登校や引きこもりの状況になってしまい、その状況の中で自己否定感や恐怖感、絶望感などを強く抱くようになって、心の迷路に入り込んでしまい、もう自分ではどうすることもできなくなっているのです。
そのような不登校・引きこもりの子供たちが、不登校・引きこもりの状況から脱出するには、周囲の人、特に親からのコミュニケーションが必要です。コミュニケーションによって、子供たちが心を変えるきっかけを与え、最終的には子供たちが心を変えて、心の迷路から抜け出せば、不登校・引きこもりは解決ということになります。
子供たちが心を変えるきっかけとは、親から子供たちへの言葉です。子供たちが心の中に抱いてしまっている自己否定感、恐怖感、絶望感などを小さくしていき、消していく言葉です。
例えば、「自分はダメだ」という自己否定感を強く持っているのであれば、子供の長所を伝える言葉、自信を持たせるための言葉、何度もやり直せることを教える言葉などです。
こうした言葉が、子供たちの心を変える点で難しいのは、子供たちの心の中にある思いを、的確にとらえていなければならない点と、説得力を持たせる点、そして、子供たちへの伝え方の点です。
子供たちの心の中にある思いを的確にとらえてこそ、その思いを変えるためにふさわしい言葉を考えることができます。心の中の思いを隠す傾向がある不登校・引きこもりの子供たちをよく見て、その思いを的確にとらえることが難しいのです。
的確にとらえたら、どういう言葉であれば、心の中にある自己否定感や絶望感を小さくできるか、考えなければなりません。子供たちがずっと抱えてしまっている思いを、言葉で変えていくためには、その言葉を聞いて子供たちが納得するのでなければなりません。言葉の説得力が必要で、表面だけいい内容の言葉であっても、説得力は出てきません。
そして伝え方です。説得力の高い言葉であっても、伝え方が悪かったら、子供たちの心の中に入っていきません。上から目線で言ったり、子供たちの気持ちを無視して伝えたりしては、子供たちの心を変えるきっかけにはならないでしょう。子供たちを尊重し、子供たちの心の状態を考慮して伝えてこそ、言葉はしっかりと伝わるのです。
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