私は、不登校・引きこもりの子供たちへのコミュニケーションについて、子供の心の状態をよく見てあげてくださいと、アドバイスしています。この点については、いくらアドバイスしても十分にアドバイスしきれないほど、重要です。
子供たちの心がどのような状態なのか、子供たちが何を求めているのか、どういう言葉をかけてあげるべきか、今とっているコミュニケーションを子供たちがどのように感じているのか、そういうことを確認していくことが、子供たちの心を開き、その心に言葉を染み入らせるために必要なことです。
不登校・引きこもりの状況にある子供たちの心は深く傷ついています。心を閉ざしています。孤独です。落ち込んでいます。自信を失っています。絶望しています。そんな心の状態をよく見て、その心の状態に合ったコミュニケーションが必要です。
もし、あなたがひどく落ち込んでいる時、その言葉があなたのことを心から思ってくれているものであったとしても、「きっと何とかなる」というような、単なる励ましの言葉をかけられたとして、それで心が動かされるでしょうか。落ち込んでいる心の状態でも受け止められるような、共感や慰めなどの言葉でなければ、なかなか心は動かされないでしょう。
子供たちの心の状態をよく見て、「どういう言葉であれば、子供たちの心に入っていくのか」と考えながらコミュニケーションをとる必要があります。
そのように心の状態を見ながら同時に、子供たちの言葉を引き出すこともコミュニケーションにおいて重要です。子供たちは人間関係を断ち、心を閉ざしていますが、やはり誰かに話を聞いてほしいのです。自分の心の中にたまっている思いを、聞いてほしいのです。コミュニケーションは、相手に言葉を一方的に伝えることではありません。コミュニケーションと聞くと、話すことを頭に浮かべる人が多いですが、本当は聞くことの方が重要です。
相手から言葉を引き出し、聞くことで、閉ざされている相手の心は、聞いてくれた人に開いていきます。話を聞いてくれたということは、相手が自分のことを受け入れてくれた、理解してくれたと、話し手には受け止められます。すべてを受けて入れているとは限らず、内心、「それは違うな」と思っているかもしれませんが、聞いてくれているということは、とりあえず受け入れてくれていると、話し手には感じられます。
そのように子供たちの言葉を引き出すことで、どういう心の状態なのかが、さらにくわしくつかめることになります。そうすることで、さらに子供たちの心の状態にふさわしい言葉を、かけていけば、子供たちは自らの心を開き、心を変えていくきっかけになっていくのです。
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