不登校・引きこもりの状況にある子供たち、そして、その子供たちと接するお母様は、心を揺らしてしまいがちです。子供たちは、「自分はダメだ」という自己否定の思いや、将来に対する不安、外に出ることへの恐怖などで、心を揺らしてしまいます。お母様は、子供の将来のことを不安に思いますし、心を揺らしている子供と接することで、子供たちの心の影響を受けて、やはり心を揺らしてしまいます。
そこで、子供たちとお母様には、カウンセリングにおいて、心を揺らさず、平静な状態にしていただくよう、アドバイスしています。
心が揺れていたら、幸福感から遠ざかってしまうので、できるだけ心を平静にしていただくということもあるのですが、もう一つ、大きな理由があります。それは、心を平静にすることによって、潜在意識を活用しやすくなり、その潜在意識によって不登校・引きこもりの状況から脱出できる、という理由です。
潜在意識と対になる意識で、顕在意識というものがあります。顕在意識とは、私たちの心の表面に出ている意識のことで、普段、自覚している意識です。喜怒哀楽や、「遊びに行こう」「勉強しよう」「体を鍛えよう」という意思のように、私たちが生活していて、自分で認識できている意識です。
潜在意識は、顕在意識とは逆に、普段の生活では、私たちは自覚していません。例えば、「体を鍛えよう」と顕在意識で決意し、トレーニングしようとしても、それが続かないことがあります。それは、潜在意識の中で、トレーニングを続けさせない意思があって、その意思が、「体を鍛えよう」という顕在意識を消してしまうからです。
この場合では、「体を鍛えるのは面倒だ、つらい」「体を鍛えても、何にもならない」「どうせ続けられない」等のように、自分で気づいていない意識がどこかにあって、それが潜在意識として顕在意識を消してしまうのです。
顕在意識と潜在意識の比率ですが、顕在意識は3~10%、潜在意識は90~97%と言われています。圧倒的に、潜在意識の方が強く、先ほどの例のように、顕在意識でいくら願っていても、潜在意識の方がその願いとは逆の方向であったら、潜在意識の方に進んでしまうのです。
不登校・引きこもりの解決のためには、心の創造力を活用することを、カウンセリングではアドバイスしていますが、その心の創造力とは、潜在意識の創造力のことなのです。潜在意識にまで、不登校や引きこもりを解決したビジョンを落とし込むことで、意識全体の90~97%を占める潜在意識が働き、そのビジョンが実現されていくのです。
潜在意識は、普段は私たちが自覚していない意識です。普段自覚していない潜在意識を活用するには、できるだけ感情を抑えて、心を平静にする必要があるのです。心を平静にすることで、潜在意識をつかむことができます。不登校や引きこもりの解決を願っているのに、それとは逆の思いが、実は潜在意識の中にあって、その思いが解決を阻んでいるのでしたら、その思いを取り除いていきます。そして、心を平静にして潜在意識をできるだけ表面に出していき、そこに解決のビジョンを描いていくことで、不登校や引きこもりの状況が改善していき、解決へと至ります。
忙しい私たちは、心というものをあまり意識していません。自分の心の状態が、どれだけ周囲の環境や人生に、影響を与えているか、認識していません。実は、私たちが考えている以上に、心が与える影響は大きいです。現状を変えることを望むのでしたら、心、その心にある潜在意識を変えていく必要があり、潜在意識を変えていくには、心を平静にしていく必要があるのです。
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