年賀状のやり取りをしている、高校時代からの友人が、その年賀状の中で、大学卒業以来勤めていた会社の早期退職募集に応募し、退職したとの内容が書いてありました。
幸い、既に次の職場は決まっていて、そこで頑張ってやっていくと、前向きな内容であり、安心しました。その友人は、名門と呼ばれるオーディオメーカーに勤めていて、そのメーカーの業績があまり思わしくないことをちょくちょく聞いていましたので、気になっていました。
昨年、業績がかなり悪化してしまったようで、倒産もうわさされるような事態になっていました。倒産するようなことはなかったのですが、その友人は会社の将来に見切りをつけたのか、会社の早期退職募集に応募して、次の職場に移ることにしたようです。
現代は、名門と呼ばれた会社、大企業でも、業績が悪化し、時には倒産してしまう時代です。会社に入った時は大企業で、業績が良くても、そのまま定年退職まで、その会社で努めることができるかどうかは、分かりません。業績が悪化することもあれば、吸収されることもありますし、倒産することもあります。
いい高校、いい大学に入って、いい会社に入り、一生安泰に過ごす、という方程式は、1990年代を境になくなってしまった、と言っていいでしょう。高い偏差値の大学に入れば、あとはそれが人生のパスポートとなる時代は終わったのです。大学に入ってからも、社会人になってからも、努力しなければならない時代となっているのです。
まず、仕事を一生懸命にやることが必要です。仕事で手を抜いた人は、その会社にいられなくなった時、つぶしがききません。実力がついていないからです。「自分は〇〇という大会社に勤めていた」と主張しても、仕事の実力がなければ通用しないのです。
そして、一生勉強し続ける姿勢が求められます。自分の担当している仕事はもちろん、会社の置かれた経済状況や、時には政治の動向も勉強しておく必要があります。たとえば、医師として働いている場合、最新の医療知識は常に変わっているはずです。その知識を常に学び、吸収している医師と、古い知識しか持ち合わせていない医師、どちらに患者はかかりたいかと問われれば、答えは明らかでしょう。
経済状況や政治動向も、会社の置かれた状況に影響を与えます。時には会社の業績にも大きく影響しますので、そうした分野についての勉強も必要です。
さらにもう一つ、自分が社会で何をしたいか、という「志」を持つ、ということが必要です。与えられた仕事をこなすだけでも、平穏な時代は生きていけます。しかし、それだけでは、先が見えない時代においては、環境の激変に流されてしまいます。そのような時代において、流されないためには、主体的な意思をもって生きる姿勢、つまり、志を持つことが必要です。
結局は、人間、生きている間はずっと努力し続け、学び続け、志を持ち続けることが必要ということになります。
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