共産主義という思想がありました。
「ありました」と過去形で語るのは、まだちょっと早いかもしれませんが、一時期にくらべて衰退していったのは間違いありません。一時期は、この共産主義をベースにした国家は、世界の約半分を占め、旧ソ連を中心とした東側諸国と、アメリカを中心とした西側諸国が、対立していました。
しかし、共産主義をベースにした国家は中国、北朝鮮など、少なくなっています。
共産主義については、いくつかの解釈が可能ですが、非常に簡単に表現しますと、「嫉妬を正当化した思想」ということになります。「裕福な人々は、貧しい人から搾取している、だから裕福な階級を打倒し、平等な社会を作らなければならない」ということが、共産主義の思想です。そこには、裕福な人々に対する嫉妬があります。
裕福な人はずるいことをしたから打倒しなければならない、という思想を信じますと、自分は裕福になることはできません。それは、裕福になってしまったら、自分も打倒されるべき側に回ってしまうからです。
裕福な人間を嫉妬し、引きずり下ろす思想を信じた結果、国全体が貧しくなるという文明実験を100年ほど実行して、共産主義国家はほとんど崩壊しました。まだ中国をはじめ、いくつかの国家が共産主義を奉じていますので、安心はできません。
国家という単位で当てはまることは、この場合、個人にも当てはまります。裕福な人、成功している人に嫉妬したら、裕福になることも、成功することもありません。これは100%真実です。
嫉妬すると、裕福になることや成功することとは逆方向に落ちていってしまいます。嫉妬心を持つと、潜在意識に向かって、自分が本当に望む方向とは逆方向のビジョンを描いてしまうからです。
「あいつは成功者だ。けしからん奴だ」と嫉妬心を抱きますと、潜在意識ではあまり細かいことは抜け落ちてしまいますので、「成功者はけしからん奴だ」という思いが潜在意識下では描かれてしまいます。その思いが現実化し、成功とは無縁の人生を送ることになります。
成功者が、より自分より大きな成功をおさめた人に嫉妬するということもありますが、基本的に嫉妬の強い人には、成功者はいないでしょう。人生がうまく行っておらず、貧しい人が嫉妬するというイメージがありますし、実際、周囲の人を見ても、そのイメージに当てはまります。
ですので、子供たちには、成功者に嫉妬するのではなく、祝福することの大切さを伝えてください。祝福することは、その人に近づいていくことを意味しています。すぐには成功者になることは難しいかもしれませんが、少なくとも成功に歩んでいることは確実です。
日本が嫉妬社会になりつつある現代、嫉妬するのではなく祝福することの大切さを、子供たちに伝えてあげてください。
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