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漫画「タッチ」に見る、子供への平等な接し方

 漫画「タッチ」は、あだち充の描いたラブコメ漫画で、1980年代にはアニメ化もされ、大ヒットしました。


 双子の兄弟で、天才型の兄の上杉達也、努力家の弟の上杉和也、そして隣に住む幼馴染の浅倉南の、三人の恋の物語で、甲子園を目指すという野球の要素も加わった内容です。

 浅倉南は、達也の方が好きなのです。しかし、達也はぶっきらぼうに見えて、かなり他人に配慮する性格であり、南を好きな和也の気持ちを思い、南の思いになかなか応えようとしません。やがて、南をめぐって、和也と同じ舞台に立つことを達也は宣言するのですが、その直後に和也は交通事故で亡くなってしまう、という悲劇が起きるのです。


 その中で、特に面白く感じたのが、上杉兄弟への両親の接し方です。本当は兄の達也の方が、あまり努力しないでも何でもできるのですが、弟の一生懸命な努力を見てきて弟に気をつかっているのか、本来の力を出そうとしません。そのため、表面的には、出がらしの兄と、よくできる弟という風に、世間一般は見ているのですが、両親はそのように見ておらず、本当の姿を見抜いていました。兄達也のことも、弟和也のことも、平等に愛していたのです。


 弟和也が野球部のエースとなり、いよいよ明日は甲子園予選の決勝という時に、父親の知人たちが酒盛りをしていて、そこに呼ばれていた和也が、その知人の一人から酒を勧められました。そこに達也が登場して、その杯をはねのけ、明日は試合があるんだと怒って、和也を宴席から連れ出すというシーンがありました。


 その知人は、「なんだ、あの兄貴は、出来の良い弟に嫉妬しているのか」とつぶやくのですが、その知人の顔に父親が酒をかけて「達也はそんな男じゃない」と話します。父親の顔は笑顔なのですが、相当に怒っていることがうかがえます。父親は(母親も)、息子たちのことを正しく理解して、平等に愛していたのです。


 その平等の愛があったからこそ、達也も和也も仲良く、まっすぐに育ったのでしょう。上杉兄弟の両親の接し方、育て方は、子供を平等に愛するという意味で、とても参考になるのではないかと思います。


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